きっかけはリハ室で見た患者さんの笑顔

研修医1年目のときのこと、偶然目にした平行棒を嬉しそうに歩いている患者さんのリハビリ中の光景。寝たきりだと思っていた方の活き活きとした姿、それは衝撃的でした。そして同時に、疾病だけを診る医師にはなりたくない、と思っていた入学前の自分を思い出しました。 リハビリに興味を持ち始め、研修先の病院でリハ室を覗くようになりましたが、リハ医は常勤していなかったためリハビリのいろはを聞く機会はありませんでした。研修医2年目が慶應病院だった私は早速慶應リハ科に見学を申し込みました。6年生のポリクリ以来でしたが、学生とは違う視点で見ること
ができ、脳卒中慢性期や繰り返す誤嚥性肺炎の患者さんのリハに同行した時には、「諦めなくていいんだ」と自分の中のもやもやが解消され、自然と納得出来たことを覚えています。 そして何より心を奪われたのは楽しそうに働いている先輩女医さん達の姿でした。改めて科全体を見ると慶應リハ科は育児と仕事を両立させている女性医師が(男性医師もですが)多く、医局員が多いからこそできる十人十色の多様性のある働き方がとても魅力的に映りました。当時妊娠し、進路を決めかねていた私ですが、見学を終える頃には「ここしかない」と入局を心に決めていました。

とにかく楽しい。医師になって良かった、と実感できる日々。

実際にリハ医として働いてみると、患者さんの疾患面だけでなく全体像を把握し介入出来ることがとても面白く、やりがいを感じる毎日となりました。長らく禁飲食だった患者さんが訓練を重ね、やっと口からゼリーを食べられた時の感動、患者さん・ご家族と共有した喜びは何物にも替えられません。何回ハイタッチしたことか。リハ医になって良かったと実感することが本当に増えました。 大学は1年間研修すれば一通りの手技と急性期疾患が学べるように専修医プログラムが組まれており、教育体制、チェック機構も整っています。大学ならではですが年の近い先輩リハ医が多く、迷ったらす ぐに相談に乗ってもらえますし、その場で熱血指導
が始まることもしばしば。事実入局後に1からリハビリの勉強をスタートした私ですがリファレンスに困ったことはありません。 HANDS療法、BMI療法、がんリハ、リンパ浮腫、など専門性の高い症例や、神経伝導検査、筋電図、嚥下造影・内視鏡検査、ボトックス等の手技も多く、日々勉強、毎日がとても充実しています。 他科から頼られることも多く、患者さんのムンテラに呼ばれることもしばしば。それこそ病棟を歩けば看護師さん、患者さんに呼び止められることも多々あり進捗状況の報告を嬉しそうに話してくれる姿を見るのは醍醐味です。そんな日々が楽しくて仕方ありません。

育児と仕事の両立に悩む女性医師へ。

娘は1歳を迎え目が離せない時期に入りました。保育園に預けているため、発熱も頻繁で仕事との両立に頭を悩ますことも多いですが、たくさんの同期・先輩後輩に助けられながら、日々頑張って過ごしています。医局の雰囲気はひたすら明るく、大笑いしながらみんなでランチを食べれば大抵の悩みは吹っ飛びます。勉強会と称した若手の小旅行も羽を伸ばすチャンス、毎年の楽しみです。 それでも困ったときは繰り返しになりますが、とにかく “相談”が強い味方。上の先生方がプライベートも含めどんなことでも、何度でも親身に話を聞いて下さり、解決策を一緒に考えてくれます。相談しにくい雰囲気は一切なく、リハ科はこのような “相談”システムが自然と構築されてきたんだな、と実感します。こんなに恵まれた環境は他には無いと確
信すると共に、この環境があるからこそ頑張っていけるんだと体感しています。 このようなことを書いている私ですがリハ医としてはまだまだです。これからもますます勉強に励み沢山の経験を積み、リハ医としても人としても大きく成長すべく毎日奮闘していきたいと鼻息だけは荒くしています。一人前のリハ医に成長し、当初私がそうであったように母と医師の両立に悩んでいる方たちに「益田先生のように頑張りたい」と希望を持って言ってもらえる、そんなロールモデルの一人となれたら 嬉しいなと心から願っています。 慶應リハ見学にいらした際にはどうか気軽に話しかけて下さると嬉しいです。皆さんと一緒に働くことが出来る日を心待ちにしています。

益田 結子

慶應義塾大学卒 2016年度入局 慶應義塾大学病院

大学勤務のリハ医として働きながら一児の母としても活躍する毎日。外来が混乱し出してもママならではのリーダーシップで即座にコントロール。併診では後輩をぐいぐいリードし、教育者としても無くてはならない存在である。プラベイベートではなかなか外食できないため、平日のランチタイムは意外と楽しんでいるとか。