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Japanese version of Spinal Cord Independence Measure (jSCIM) and jSCIM – self report (jSCIM-SR) 

脊髄障害自立度評価法の日本語版
自己報告形式の脊髄障害自立度評価法の日本語版

脊髄損傷患者の日常生活自立度(ADL)を評価するために、脊髄障害自立度評価法(SCIM-III)が広く利用されています。SCIM-IIIは3領域(セルフケア、呼吸・排泄、移動)にわたる19項目、100点満点で、入院患者を医療従事者が観察することで評価する方法です。SCIM-IIIはイスラエルで開発され、日本語版は国立病院機構村山医療センターと当教室で作成し、その信頼性と妥当性を学術誌で報告しました[1, 2]。一般的に用いられるFIMよりも脊髄損傷特異的な領域(呼吸や排尿など)について、より詳細に評価することが出来るため、脊髄損傷患者のADL評価法として世界標準となっています。

一方でSCIM-IIIは観察により評価する性質上、外来患者のADL評価には向きません。事実、多くの患者が長期にわたって過ごすはずの退院後のADL評価報告は少なく、日常診療でも定量的な評価は行われてきませんでした。そこで、これらの問題を解決すべく自己採点方式の評価法であるSpinal Cord Independence Measure – self report (SCIM-SR)がスイスで開発されました。SCIM-IIIと同様の19項目、100点満点の評価法です。

今回、我々は村山医療センターと共同でSCIM-SRを日本語に翻訳し、SCIM-IIIとの妥当性を検証し学術誌に報告しました[3]。脊髄の再生医療が現実となりつつある現在、外来の脊髄損傷患者のADL評価は欠かせないものになると予想されます。そのためには入院時のADL評価と相同な評価法が必須となるため、SCIM-SRはその中心的役割を担うことが期待されます。今回の学術誌報告にあたり、我々はここにjSCIM-SR(自己報告形式の脊髄障害自立度評価法の日本語版)を公開することといたしました。是非ご利用ください。

なお英語のSCIM-SRは、https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/にて公開されている著作権フリーの文書であり、その日本語訳にも著作権はございません。日本語版であるjSCIM-SRをご利用の場合は、以下の[3]の出典からの引用であることを明記してください。

関連文献

[1] 黒川真希子,問川博之,鈴木幹次郎,内川 研,田中尚文,里宇明元:脊髄損傷自立度評価法(SCIM)の信頼性と妥当性に関する検討.日本リハビリテーション医学会誌 2007;44:230-236

[2] 問川博之,黒川真希子,鈴木幹次郎,内川 研,柴崎啓一:脊髄障害自立度評価法(SCIM).脊椎脊髄ジャーナル2005;18:1187-1189

[3] Takeuchi S, Uemura O, Unai K, Liu M., Adaptation and validation of the Japanese version of the Spinal Cord Independence Measure (SCIM III) self-report. Spinal Cord 2021. https://doi.org/10.1038/s41393-021-00633-5 https://rdcu.be/cjJeC