私たちについて

FIM 機能的自立度評価法

1.はじめに

Functional Independence Measure(FIM)は、身の回りの必要最低限な活動(ADL: Activity of Daily Living)の評価尺度です。
慶應義塾大学リハビリテーション医学教室ならびに慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンターでは、FIMが米国リハ医学会を中心とするのUniform Data System for Medical Rehabilitation(UDSMR)で開発された当初より協力関係をもち、特にFIM version 3.0 日本語版作成に密接に関与してきました。FIM version 3.0 日本語版は、我が国の社会文化的背景を考慮し、独自のデータも用いながら特異的な解釈を加えて邦訳された、信頼性と妥当性の確立した評価尺度です。
なお、WeeFIM(こどものための機能的自立度評価法)については当教室では取り扱っておりません。

2.FIMの特徴

・ADLをどの程度自分でしてどのくらい介助に手がかかるのかを簡単に評価するツールです。
・自宅や病棟などでの「しているADL」を、18項目各7点満点で合計18~126点で評価します。
・実際の動作に関する13の項目(運動項目)に加え、認知面を評価する5つの項目(認知項目)が含まれます。
・評価の対象になる病気や障害は選びませんが、7歳以上が対象です。
・医療従事者以外でも、評価することが可能です。

3.FIMの教科書・教育

①教科書

FIM version 3.0の正式な訳書である『FIM利用の手引き(第3版)』(慶應義塾大学リハビリテーション医学教室)は当教室にて販売しております(一部1000円、送料別)keiorehab@gmail.com までお問い合わせください。その解説書であった『脳卒中患者の機能評価-SIASとFIMの実際-』(Springer)は現在絶版になってしまっております。
導入書として、『 脳卒中の機能評価-SIASとFIM[基礎編] 』『 脳卒中の機能評価-SIASとFIM[応用]』(金原出版)が上梓されております。

②教育

FIMを正しく採点するために、慶應義塾大学リハビリテーション医学教室では毎年11月にADL評価法講習会としてオンライン講習会を行っております。だいたい9月ころにお受付を致します。今年度の講習会はこちらからお申し込みください。
また、当教室以外でも講習会は行われておりますので、こちら(http://fim.sakura.ne.jp )をご参照ください。
採点に関するFAQもありますのでご活用ください。

4.FIMの引用

論文等で発表する場合には、FIM version 3.0(日本語版)を使ったことをリファレンスにいれる必要があります。引用例を以下に記しますが詳細は「FIMの引用」のページもご参照ください。また、FIMのうしろには(TM)を付記します。*引用すべき文献や記述についてのご指摘は随時お受付いたしております。

<引用例>
We used the Japanese version of FIM(TM) version 3.0 (文献1,2) that has culturally relevant modifications for some of the items (文献3,4).

<FIM参考文献>
1.Data management service of the Uniform Data System for Medical Rehabilitation and the Center for Functional Assessment Research; Guide for use of the uniform data set for medical rehabilitation, State University of New York at Buffalo, version 3.0, March 1990
2.Liu M, Sonoda S, Domen K. Stroke Impairment Assessment Set (SIAS) and Functional Independence Measure (FIM) and their practical use. In: Chino N, ed. Functional Assessment of Stroke Patients: Practical Aspects of SIAS and FIM. Tokyo: SplingerVerlag; 1997. p.17–139. (in Japanese)
3.Tsuji T, Sonoda S, Domen K, Saitoh E, Liu M, Chino N. ADL structure for stroke patients in Japan based on the functional independence measure. Am J Phys Med Rehabil 1995; 74: 432 /438.
4.Yamada S, Liu M, Hase K, Tanaka N, Fujiwara T, Tsuji T, Ushiba J. Development of a short version of the motor FIM for use in long-term care settings. J Rehabil Med. 2006 Jan;38(1):50-6. doi: 10.1080/16501970510044034.