cFAS Cancer Functional Assessment Set
背景
がんのリハビリテーションの目的は、がんとその治療による制限の中で、患者さんに最大限の活動を実現してもらうことです。近年、がん治療成績の向上に伴い、がん患者さんのQOLが重視され、リハビリテーションの需要も増大してきています。しかしながら、がん患者さんの身体機能やリハビリテーション介入効果を的確に評価できるスケールがありませんでした。
Cancer Functional Assessment Set (cFAS)
我々はがん患者さんに特化した身体機能評価スケールとして、24項目からなるCancer Functional Assessment Set (cFAS)を開発しました。
cFASを用いることにより、
- 障害されている身体機能の把握
- 身体機能の問題に関して、患者さん自身やご家族、医療者と共通理解を深める
- 安全で効果的なリハビリテーションプログラムの立案
- より詳細なリハビリテーションの効果判定
- 効果判定に基づくリハビリテーションプログラムの再立案(軌道修正)
などが可能となります。
また、評価尺度として必要な計量心理学的特性を有しているため、がんリハビリテーションの臨床研究にも活用が可能です。尚、本スケールは、在宅療養(訪問リハビリテーション)中の患者さんにおいても評価できるよう、特別な道具は不要となっております。がん患者さんの身体機能評価として、ぜひcFASをご利用ください。
関連文献
Cancer Functional Assessment Set: a new tool for functional evaluation in cancer. Miyata C, Tsuji T, Tanuma A, Ishikawa A, Honaga K, Liu M. Am J Phys Med Rehabil. 2014 Aug;93(8):656-64.